T-16Z. 鉄瓶 折鶴


  六角形の小振りな鉄瓶。裾に向かって尾垂れの形状になる平たい六面は,あたかも裾を手で破ったような紙の面を連想させます。 その表面に鋳出した5羽の折鶴は,緻密な銀線の象嵌で縁取られ,折り目の直線が控えめに光を放ちます。

 折鶴が日本の文献に現れるのは江戸時代,1682年に出版された井原西鶴著「好色一代男」の中で,主人公の世之介が「比翼の鳥のかたち」をした「をり据え」をつくる場面がありますが,図や絵がなく,文章のみの記述となります。その後1700年ごろに「ひいながた」と呼ばれるいわば着物のデザイン画集が出版されるのですが,ここに初めて図案として登場します。
 1797年には世界最古の折り紙の教本「秘伝千羽鶴折形」が出版され,このころから紙の折り方を楽しむ文化として「折り紙」は庶民に浸透していたものと思われます。

 日本では折鶴のモチーフには,長寿と平和への願いが込められています。古来より「鶴は千年生きる」とされており,結婚式や長寿の祝いに用いられる縁起の良い鳥として用いられてきました。特に千羽の折鶴を病気快癒の願いを込めて入院患者へ送るという習慣もあります。
 自らと,縁あって同じ瓶から茶を服する人々の健康と安寧を願ってお使い頂きたい逸品です。


サイズ(cm)  H22.0  ×  W17.6
容量(リットル)  1.3㍑
重量  2.1kg
素材

  本体: 鉄
 彫金部: 本銀  
 蓋: 銅 (赤地)   
 弦: 鉄(鍛造)

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